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世界にわずか36点の作品しか残っていないというフェルメール。
その36点の作品ひとつひとつに附された赤瀬川さんの解説を読みながら、350年も前に描かれた「風俗画」を眺めていると、何ともいえない不思議な気分になってきて、この寡作の画家が世界中の人を魅了するのがなんとなくわかってきた。
じっくりと見たのは(印刷ですが)初めてだが、こんな柔らかい光に包まれた絵を見たことがない。
NHK的に分析すれば、いろんな原理がわかってくるのかもしれないが、そんなことが余計なことに思えるような、「リアル」や「気配」に満ちていて、たぶん本物を目の当たりにすれば、間違いなく息をのむだろう。
「神秘的な、奇跡を見るような感銘を受ける。あり得ないものがそこにあるという感じ」
「カメラができる前の『写真家』である」と、冷静で、緻密で、光学的な、その構図やレンズのような視線を実証的に分析したうえで、赤瀬川さんは、フェルメールの絵画全体の印象をこのように言っている。
「あり得ないもの」だからこそ、人を惹きつけるのだ。