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1956年に発表された、詩人/画家アンリ・ミショーのメスカリン実験の最初の報告。
オピウム(阿片)のコクトー、LSDのハクスリー、ヘロインのバロウズ、ペヨーテのカスタネダ、コカインの平野威馬雄、アルコールの中島らもなど、麻薬文学とでもいえるようなドラッグの世界に嵌った天才たちの一群の本があって、それはどれも背筋が寒なるほどの恐ろしい話ばかりだが、ジャンキーの地獄めぐりの情景にはどこかしら甘美な匂いがあって、恐いもの見たさで、やはり目を離すことができない。
この「みじめな奇蹟」もそんな一冊だけれど、ミショーの凝視はそのどれよりも冷徹で克明、麻薬体験のない人が読めばおそらくなにがなんだかわからないだろうけど、10年5冊にわたって執拗に記されたその記録は、探求心のレベルをはるかに超えた域に達していて、彼のあの抽象的なドローイングがその世界を可視化したものだということが、よくわかる。
そのとき、視えるもの。